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 私たちは、主として北方四島および千島列島から北海道沿岸海域を中心に、海の生態系保全の象徴的な動物たち(海生哺乳動物・海鳥など)と人間とが、共生していくための諸活動を行っています。

 海の動物について多角的に調査・研究すると同時に、その海域の生態系を保全しながら、その沿岸の住民の持続的生活が成り立つような環境整備のための、啓蒙およびエコツアー等を含む産業育成に関する事業を行い、生態系保全とまちづくりに寄与し、地域社会全体の利益の増進を図ることを目的としており、「調査・研究」「啓蒙普及」「政策提言」を3つの柱として運営しています。

Project 1. 調査・研究

「北方四島」の生態系に関わる多角的な調査・研究

 1999年~2005年までの7年間に9回のビザなし専門家交流の枠組みでの自然生態系調査を実施させてきました。これまでの9回の北方四島自然生態系調査の結果、同地域・海域は世界最南の流氷限界域に位置すること等により、極めて高い生物生産性・生物多様性を保持していることがわかってきました。

 

北海道の海生哺乳類(特にアザラシ類)に関わる調査・研究

  2003年4月鳥獣保護法の改正に伴いアザラシ類が対象種になったことを受けて、アザラシ調査関係団体(えりもシールクラブ・ゼニガタアザラシ研究グループ・北大獣医・北大・水産)をまとめ、調査を計画し各団体に調査の実施している(環境省の委託事業)。襟裳・厚岸・羅臼・納沙布をモデル地域にして、アザラシの行動や生息数調査、アザラシの棲む海洋環境、そして人との関係についてそれぞれ調査を計画して、それを持続的漁業と海生哺乳類管理の両立する北海道のアザラシ保全管理策に結びつけることを目標にしています。

 

北海道周辺諸国の海生哺乳類に関わる調査・研究

  北海道と近隣諸国とのアザラシの行き来を把握するのを目的に、2004年からサハリンのアザラシ類の調査を実施しています。

Project 2. 啓蒙・普及

1.北方四島在住ロシア人・日本国民への啓蒙

  エクスカーションおよび交流集会

   1999年から2005年の8回にわたる現地調査の際に、現地の先生や小・中学生にわれわれの調査に参加し

  てもらい、どのように動物たちが暮らしており、どのように環境と結びついているかを実体験してもら

  うエクスカーションや、現地の島民50人ぐらいを対象に、日露双方の専門家がスライドやビデオを使っ

  て、動物の生態や生態系についてわかりやすく話をする交流集会を実施しました。

  

     報告集会あるいはシンポジウム

   旧島民や自然に関心ある人達に全国から参加を呼びかけ、内閣府・外務省・環境省・道庁・支庁・市

  などの北方四島担当者の参加を募り、訪問に参加した専門家から各島の動植物相やそれら生態系の特徴

  をについてわかりやすく説明してもらい、今後の北方四島のあり方を模索していくような報告集会やシ

  ンポジウムを1999年以降、毎年企画しています。

  本の出版

   写真集「北の海の生きものたち」を監修(B5p48カラー):北方四島の自然の豊かさを日本国民(主

  に北海道)およびサハリン・四島の子供達に知ってもらうためにこれまでの調査で得られて写真を使い、

  ロシア語併記の写真集を監修しました。それらを北海道内、サハリンおよび四島の小学校に無料で配布し

  ました。

2.北海道の海生哺乳類に関する啓蒙活動

  シンポジウムの開催

    2003年11月23日にシンポジウム「人と獣(けもの)の生きる海-北海道の海生哺乳類管理を考える-」を

  企画・実施しました。また、シンポジウム前日には北海道の海獣類の現状を知ってもらうために若手研究

  者らによる勉強会を開催し、シンポジウム後にはトドやアザラシの生息地や被害の実情を視察するための

  エクスカーションも実施しました。シンポジウムは、海生哺乳類からの立場だけでなく、北海道の基盤産

  業が漁業であることも理解してもらえるような講演者を選別し、海外招聘者は北海道の海生哺乳類管理の

  モデルになるような地域の担当者にお願いしました。参加者はなるべく多くの立場の人が参加できるよう

  に同時通訳を導入し、当初の参加予測人数(100名)を上回る参加者を得ました。

        また、2004年2月10日には厚岸で第一回アザラシ会議~各地のアザラシを取り巻く状況を知ろう~と題

  して開催し、翌日希望者を対象に大黒島アザラシツアーを実施しました。北海道におけるアザラシを取り

  巻く環境や人とアザラシの関係が異なるような4地域(厚岸・襟裳・納沙布・羅臼)の各地域の関係者か

  ら「海獣類の利活用」分野・「人と海獣類との軋轢」分野の両方面の講演企画。特に後者については、普

  段シンポジウムなどではなかなか話して頂くことが困難な各地の漁業協同組合の担当者へお願いしまし

  た。また、地元の漁業者の参加もあり、「生」の訴えを聞く場面にも遭遇することもできました。

  本の出版

  パンフレット「北海道の海獣類を紹介します!」(A5p29カラー)。

  報告書「北海道の海生哺乳類管理」の著者(A5p220一部カラー):上記シンポジウムの一連の内容を、

   一般の方々にもわかりやすいようにまとめ、書物(報告書)「北海道の海生哺乳類管理」として発行。

Project 3. 政策提言

海洋生態系保全案の立案

漁業と海生哺乳類との共生

Our Projects.

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